心に受けた傷について

暴力というと、身体への物理的な攻撃が思い浮かぶと思います もう一つ、心も暴力によって傷を受けます   身体への暴力の特徴は、 「みえる」 「痛い」 「自然に(時間と共に)治る(ことが多い)」 ことです。 [...]

保護者からの“クレームや要求”にどう応じるか(学校の先生へ)

現状の懸念「対立になってしまっている、対立になる不安がある」 生徒間の事故や嫌がらせ、いじめなどをきっかけに、担任の対応、学校の対応をめぐり、保護者と担任、保護者と学校、保護者と教育委員会という形で、対応への不満から対立になってしまっているケースが少なくないように感じます。 その背景には、担任などによる個人による初期の対応、学校などによる組織としての対応に課題があるように感じます。保護者も、担任も、学校も、“子どものこと”を第一に考えて行動している中で、不適切な一言や姿勢が、保護者の感情をこじらせ、悪化させ、協力関係を築けずに対立関係になってしまうのはとても残念なことに感じます。 また、トラブル対応に追われる担任の先生の苦労・心労も大きく感じます。 裁判になれば、お互いに相手の非を調べ伝えあうような、嫌な思いをすることになり、同じ学校に通うことが難しくなったり、地域生活が難しくなったりもすることが考えられ、できる限り避けることが望ましいと思います。 対立関係にならない“子どものために”協力関係を維持する関わり方、対応を心がけることが大事だと考えます。   保護者の思い [...]

どうして揉めごとは早く解決した方がいいのか

近隣トラブルなど揉めごとにはステージがあります 大きな転機としては「こと」から「人」に移るタイミングです はじめはどんなことでも「こと」からはじまります。 例えば、家庭のことなら 脱ぎっぱなしの服 とか 食事の片付けを誰がするのか とか 誰が介護をするのか、家をどうするのか 近隣のことなら 夕方に演奏される楽器の音 とか 自転車の置き場所 とか [...]

あの時の言われた”あの一言”の重さ

あの時の言われた”あの一言”のこと、話してみませんか。 東京メディエーションセンターが応援します   あの時言われた”あの一言” あの時言ってしまった”あの一言”   心に受けた傷は、表面には見えません。 心に受けた傷は、時間と共に治っていくということもありません。 [...]

近隣トラブルの進行とステージ

<ポイントは、問題が事象から人に変わる時> 近隣トラブルは、こんな風に進んでいくように感じています。 大きな転換点としては、音などの「事象」の問題だったことが、対応してくれないなどの感情から不快の感情が「人」に変わる時です。 この前であれば「事象」をどうするか。で話は済みますが、その後になると人間関係を話せる関係に取り戻して、事象に取り組むという必要が出てきます。 「不快」に加えて「憎しみ」などの感情が芽生えています。 現在、東京メディエーションセンターにご相談いただくのは、多くの場合「人」に変わった後のことが多いですが、早い段階で取り組めればと思うことがほとんどです。 近隣トラブルはこう進行していくんだ。と知っていただけたらと思います。そして、ことが大きくなる前に何か手を打とう!と思う、参考にしていただけたらと思います。 実は、この「事象」の問題だったことが「人」に変わっていくのは、近隣トラブルに限らず、いろんなシーンでの人間関係でも言えることのように思います。

2023-09-17T15:35:58+09:002023/9/17|Categories: コラム|

あの人と話すと、話したいことが話せない。全然伝わらない。自分が悪いみたいな感じになる。とき

夫婦でも、会社の人でも、友達でも、勇気を出して言ったのに、思ってもみなかった展開になってがっかりしたみたいなことないでしょうか。 例えば ・直してほしいことを伝えると「お前だって・・じゃないか」「お前だって・・しろよ」と返ってきて、直して欲しかったことの話がどこかへいってしまうこと。 ・「もう少し家事の分担を担ってほしい」と伝えると「仕事やめろってことか」と違う話に焦点が変わってしまう。 ・集中できず音に悩んでいて静かにしてほしいことを伝えたら「神経質すぎない?病院行ったら?」みたいに自分に問題があるように言われてしまったり。 ・こうしてほしいなと思って伝えたら「みんな気にならないって言っていますよ」と言われ、私の意見を扱ってもらえなかったこと。 こんな経験はないでしょうか。よくあるんじゃないかと思います。 それぞれ「Whataboutism(お前だってと話を返す)」とか「藁人形論法(違う論点や概念に変える)」とか「ガスライティング(焦点を被害者の問題に変えること)」とか「バンドワゴン(多くの人を理由に正当化する)」とか名前のついたよく知られた論法だったりします。 [...]

2023-09-09T11:48:08+09:002023/9/9|Categories: コラム|

私が思う「メディエーション」~裁判との違い~ 理事紹介コラム~徳山佳祐(弁護士)

こんにちは。理事の徳山です。今回のコラムは弁護士としての立場から、メディエーションが求められる背景などをお伝えできたらと思います。 世の中で、日々紛争は発生しています。その中には、コミュニケーションの問題に起因する紛争も少なくありません。深刻な事件としては、マンションの隣人間でのトラブルから、殺人事件に至ったものもありました。また、友情・恋愛感情が紛争に発展し、殺人や自死にまでつながった悲しい事件も後を絶ちません。 このようなトラブル、紛争に対して、私は、日々の弁護士業務において法律家として関わる一方、当センターでは、メディエーションを通じて向き合っています。では、それぞれの関わり方はどのように違うのでしょうか。 […]

2022-12-21T13:58:47+09:002022/2/25|Categories: コラム|

第3者が関わると「話せる」ワケ

「話す」ために必要な関係性 話し合いというのは、関係が対等でないと実現できません。 例えば、上司と部下であれば、判断をする人と指示を受ける人という関係があります。医師と患者であれば、治療をする人と治療を受ける人という関係です。上司や医師は、部下や患者からは、判断をするための情報を集めることが会話をする目的になります。 相手が情報収集することが目的であれば、「話す」ことにはなりません。 「話す」ということは、相互に理解を深め、関係を築き、なにか見出していくことです。「話す」ということは、関係が対等でなければできないのです。 […]

2022-12-21T14:00:00+09:002022/2/7|Categories: コラム|

話し合いのプロセスで生まれる大事なもの

話し合いで生まれる二つの成果・価値 東京メディエーションセンターがなぜ話し合ったほうが良いと考えているかというと、話し合いによって導かれる合意案よりも、話し合いによってプロセスで生まれるものの価値があると感じているからです。 例えば、夫婦の問題で、家事の分担が課題だとしましょう。 洗濯は誰が、料理が誰が、皿洗いが誰かと分担が決まることももちろん大事ですが、 どうして分担の話をしたいと思っているのかが夫婦で共有されることもとても大事だったりします。 話し合いでは「〇〇をどうするか」「こうしよう」という議題に対する答えも話し合いの目的ですし大事な成果ですが、相手を理解し、自分を理解してもらうことをしながら起きる人間関係の修復や改善ができることがとても大きな意味があります。 […]

2023-01-31T00:41:19+09:002021/12/6|Categories: コラム|