おたがいの事情を
知るだけで、
解決につながる
場合があります。
お隣さんの音がうるさい、ペットやゴミ捨てなどのマナーの問題、夫婦、親子、兄弟などのすれ違い、学校や職場で人間関係が崩れてしまった・・・我慢できないわけではないけれど、言いたいことが言えなくて、気になってイライラしてしまう。
そんな時、どうしますか。
相手に何も伝えずに、ずっと我慢していると、イライラに耐えられなくなって、一気に相手にぶつけてしまいがち。でもそれでは、相手はあなたの事情や困っていることを聞く前に、きっとびっくりしてしまうでしょう。
あなたが感じていること、困っていること、何をどうしてほしいのか、”トラブルになる前に”相手に伝えませんか。
相手はあなたが困っていることに、気づいていないかもしれません。相手には相手の事情があるのかもしれません。
お互いが、お互いの事情を知るだけで、解決できることもあります。
メディエーションは、困りごとを抱える当事者同士の話し合いを、第三者が見守る手法です。日本ではまだ馴染みがないですが、欧米では身近な人とのトラブル解決方法として、信頼されている手法です。
その相手と、これからも関係を続けていきたいと思うなら、話し合ってみませんか。
ご相談の内容
近隣同士のマナーに関するトラブル
家族の家事分担
夫婦のすれ違い
介護の分担や同居についてのもめごと
親子の話し合い
職場の人間関係のトラブル
友人との関係
学校での人間関係
- 相手に慰謝料を払って欲しい、部屋を退去してほしいなど法律的な事柄
金銭の支払い請求
自分の要求を相手に飲ませるためだけの目的
よくある質問
よくある質問をまとめました。
その心配はよくわかります。話し合いを通じて、解決策を見つけられなくても、お互いの理解は進みます。理解が進んで関係が悪化することはそうあることではありません。
まず、今悩んでいることをお話しください。メディエーターの役割やメディエーションの進め方などもその時にお伝えします。納得されたうえで、進めていきます。
次に、相手にどのように伝えるかを一緒に考えて決めます。だれが話し合いに誘うか、あなたの名前を出すか、手段は、電話か、手紙か、訪問かなど不安がないように配慮します。
そのあと、相手の方とお会いし、メディエーションの進め方やメディエーターの役割などをお伝えし、納得していただいたうえで、話し合いの日程や場所を決めます。
ご自分から伝えない限りは、伝わりません。メディエーターや相談員が、あなたに代わって相手になにか伝えることは致しません。
活動報告(ブログ)
紛争への第3者の関わり 「Mediate」という選択肢
ウクライナとロシアで起きていることはとても残念に思い、早く戦争が終わることを願っています。 この中で、ローマ法王やイスラエルの首相が、話し合いの仲介に名乗りをあげたというニュースがありました。 ・Israel PM offers to mediate to stop Ukraine hostilities ・Vatican Offers to Mediate [...]
私が思う「メディエーション」~裁判との違い~ 理事紹介コラム~徳山佳祐(弁護士)
1. コミュニケーションから始まる紛争・トラブル 世の中で、日々紛争は発生しています。その中には、コミュニケーションの問題に起因する紛争も少なくありません。深刻な事件としては、マンションの隣人間でのトラブルから、殺人事件に至ったものもありました。また、友情・恋愛感情が紛争に発展し、殺人や自死にまでつながった悲しい事件も後を絶ちません。 このようなトラブル、紛争に対して、私は、日々の弁護士業務において法律家として関わる一方、当センターでは、メディエーションを通じて向き合っています。では、それぞれの関わり方はどのように違うのでしょうか。 2. 弁護士(法律家)の関わり方 ①解決のためのルール 一般にトラブル・紛争というと、弁護士への相談や、裁判手続による解決を思いつくかもしれません。当然、法的な権利・義務(わかりやすく言えば、金銭や契約等に関すること)をめぐるトラブルであれば、弁護士や裁判所が関与して、法的ルールに基づいた解決方法によることがふさわしいといえます。法律で定められていたり、過去の判例・裁判例として積み上げられたりした規範(ルール)は、杓子定規と思われがちですが、多くの場合は妥当な解決を図れるように作られています。これに当てはめることで、どちらの主張が正しいかを白黒つけるのが法律による解決です。 他方で、お互いの主張に白黒つけることにより、「勝ち負け」がはっきりしてしまい、それ以降に同じ社会で共存することが難しくなる側面もあります。そうならないように、お互いが納得できる内容による「和解」で解決することも多くありますが、それでも、弁護士が間に入ったり、裁判所で対面したりするというのは、わかりやすい「対立関係」であり、かつてのような間柄に戻すのは簡単ではありません。そして、そこは、法的ルールの適用により解決するものではなく、また、弁護士や裁判所等が関与する手続もありません。 ②弁護士の立ち位置 弁護士は、当事者の一方の代理人という立場で依頼を受けることになります。当然、紛争の解決を意識しながら活動を進めますが、その中でも依頼者の要望を実現することを最優先します。極端に言えば、第三者としての立場で妥当だと思われる内容だったとしても、依頼者がそれに対して「Yes」でなければ、相手方に伝えることはしません(当然、依頼者に対して説得は試みます)。このように、「代理人」という立場で活動する上で、「言いたくても言えない」ということも出てきます。 3. メディエーションの関わり方 ①解決のためのルール メディエーションでは、必ずしも法的な権利・義務に関わらない近隣や家族内のトラブルに向き合います。例えば、ゴミ出しのルールや子供の教育方針等については、社会でのルールがなく、法律に基づいて解決することは困難でしょう。このような問題について、例えば弁護士に依頼した場合、それは仕事として受けられないと断られるか、なかば無理くり法律上の問題として構成し、金銭や契約上の紛争として処理されることになりかねません。これでは、かえって近隣や家族間のきずなに亀裂が生じてしまいかねません。 [...]
「言いにくい人への伝え方・話し方相談サービス」の試行をしています
渋谷区の実証実験事業に採択され、2月9日より「言いにくい人への伝え方・話し方相談サービス」を試行しています。 東京メディエーションセンターは、行政支援の届きにくい家庭内のトラブル、法的に対応しにくい近隣同士のマナー問題、 職場や学校などでこじれてしまった人間関係を「メディエーション」によっ て解決することを支援してきました。「メディエーション」とは第三者の立会いのもとで当事者同士が話し合うにことによって、個人が抱えている問題を「自分たちで解決する」手法で、欧米では広く行われています。 その中で、難しさを感じる相手となにか状況を打開したいが「どう切り出したら良いかわからない」ということ悩みを持っている方が多くありました。興奮した状態で連絡を取ろうとしたり、相手にとって唐突な印象を与えるような要求をしようとしていたり、実現したい状況には結びつかなそうなやりとりからはじめてしまうことがありました。話を聞いて気持ちを落ち着かせ、手紙やLINEの文面を添削したり、話し始めの言葉のアドバイスをしたりすると「なるほど!やってみます!」となることがあり、そのニーズを感じ、言いにくい人への伝え方・話し方の相談事業を検討しています。 これまでの第3者を交えて相手と対面で話し合うというメディエーションサービスの前段の支援と位置づけ、人間関係の改善のきっかけを支援したり、コミュニケーションの手法をアドバイスを考えています。人に関わってもらうほどではなく、自分でなんとかやってみたいけれど、力添えがほしいという方の力になればと思っています。
第3者が関わると「話せる」ワケ
「話す」ために必要な関係性 話し合いというのは、関係が対等でないと実現できません。 例えば、上司と部下であれば、判断をする人と指示を受ける人という関係があります。医師と患者であれば、治療をする人と治療を受ける人という関係です。上司や医師は、部下や患者からは、判断をするための情報を集めることが会話をする目的になります。 相手が情報収集することが目的であれば、「話す」ことにはなりません。 「話す」ということは、相互に理解を深め、関係を築き、なにか見出していくことです。「話す」ということは、関係が対等でなければできないのです。 第3者を介して対等な関係性に 親子、上司と部下、医師と患者など対等ではない関係の中で「話す」には、第3者がいることによって実現しやすくなります。 なぜかを説明します。 上司と部下を例にします。 上司と部下では、上司の方が立場が強く、部下が弱い関係があります。 メディエーター(第3者)が関わるとどういうことが起きるかというと 上司とメディエーターは、関係がありません、つまり対等な関係です。 部下とメディエーターも、関係がありません、つまり対等な関係です。 メディエーターは、どちらにも、同じ言葉で、同じ態度で話すことができます。 [...]