夫婦でも、会社の人でも、友達でも、勇気を出して言ったのに、思ってもみなかった展開になってがっかりしたみたいなことないでしょうか。

例えば

・直してほしいことを伝えると「お前だって・・じゃないか」「お前だって・・しろよ」と返ってきて、直して欲しかったことの話がどこかへいってしまうこと。

・「もう少し家事の分担を担ってほしい」と伝えると「仕事やめろってことか」と違う話に焦点が変わってしまう。

・集中できず音に悩んでいて静かにしてほしいことを伝えたら「神経質すぎない?病院行ったら?」みたいに自分に問題があるように言われてしまったり。

・こうしてほしいなと思って伝えたら「みんな気にならないって言っていますよ」と言われ、私の意見を扱ってもらえなかったこと。

こんな経験はないでしょうか。よくあるんじゃないかと思います。

それぞれ「Whataboutism(お前だってと話を返す)」とか「藁人形論法(違う論点や概念に変える)」とか「ガスライティング(焦点を被害者の問題に変えること)」とか「バンドワゴン(多くの人を理由に正当化する)」とか名前のついたよく知られた論法だったりします。

それらは、意識的に使っていることもあれば、無意識に使っていることもあります。

口癖や思考の癖になっている人も多く、あの人と話すといつもこうなっちゃうんだよな。となんとなくその人とのやり取りを敬遠したくなったりすることがあります。

話がずらす論法があること知っていれば、相手がしてきた時、自分がしてしまった時、話を戻すことができます。

メディエーターが関わる話し合いでも、こういったことはよくあります。

そういう時は「こういうことを伝えたかったんじゃなかったですか?」「はじめの質問に答えられていない気がしますがそれはどうですか?」など話を戻したり、「・・・も気にされているんですね。では先ほど質問の・・・に加えてそのことも話しましょう」と議題を整理したりします。

当事者だけだと、興奮して気づけなかったり、相手の感情を損なってしまったりすることもあります。うまく受け止めて、戻したり整理することが大切です。