メディエーターが関わることで、起きることとして、二者の中にある課題の全体像が見えてくることがあります。

なぜみえてくるのかそのポイントは、いくつかありますが、メディエーターが第3者であること、第3者である良さというのがあります。

メディエーションの開始は、第3者であるメディエーターが、それぞれに事情を聞いていくことからはじまります。

メディエーターは、それぞれの事情を理解しようと聞いていきます。

つまり、全く事情の知らない第3者であるメディエーターが、話の最初から聞いていくことになります。

これまでに関係のある二人であれば、話さなくてもわかっているだろうと思っていることもメディエーターには知らないことです。

メディエーターがことの最初から聞いていくことによって、同じ空間にいる相手も改めて最初から聞いていくことになります。

多くのことが知っているかもしれませんが、知らなかったことも実際には多くあります。

特に、メディエーターは、事実に加え、その時その時の「感情」にも焦点を当てていきます。

「感情」は、本人から言語化されていることは多くなく、「感情」はお互いに知らなかった内容であることが多くあります。

第3者であるメディエーターがきくことで、両者にとって改めて事実が共有されることになります。

これが当事者だけの話し合いだと「そのことは知っているからもういいよ。」と雑に扱われてしまったりしますし、確認の意味で聞きたくても「もう何度も話したでしょ」「今更説明が必要なの?」「一緒にいたんだから知っているでしょ」と答えられたりして、聞きにくかったりもします。

第3者であるメディエーターが聞いていくことで、2者の中に起こった事実と感情が共有され、課題がみえてきます。